インバウンド誘致に対する違和感

インバウンドという言葉をご存知でしょうか?

「観光客」を指す意味で使われているようです。

少子高齢化による人口減に対して、

観光客誘致、

特に外国の人の観光に力を入れることで、

地域の活性化を図ろうという意図で行われているものですが、

これを日本全国で展開しようとしています。

相変わらずこの国は

「右向け右」なんですが、

観光資源が存在しない地域に対しても

この政策を持ち込もうとしています。

「観光資源がなければ作ればいい」

これ、

箱物を作る理由になるんです。

国家が予算を投じて、

何かしら無駄な建築物を作る理由になっています。

「土の存在しない土地に木は生えない」

という言葉を知らないんでしょうか?

かつて日本中で

「テーマパーク」

が作られました。

自分はそういう関係の仕事でしたので、

その業界に関わっていましたが、

その時代、

「テーマ」

はほとんど国でした。

なぜか?

安易だからです。

しかし必然が存在しないものには、

永続性は生まれません。

「長崎だからオランダ=オランダの街を作ろう」

ハウステンボスのことですが、

ご存知のとおり、今現在なんとか復活しましたが、

一度経営破綻しました。

当たり前なんです。

「お金がない人は行かない」

「少しお金がある人は1回行く」

「お金持ちは本当のオランダに行く」

この心理の仕組すら知らない人が、

行動心理学の塊である「遊園地」を作ろうとするんですから

無理に無理を重ねることになります。

今起きている「インバウンド誘致」は、

これと同じ経緯をたどります。

観光地の「心理学」は、

遊園地の心理学と同じです。

必ず失敗します。

なぜなら人口10万人以下の自治体において、

年間維持費5000万円以上かかる観光用の施設は、

自殺行為です。

さらにこのような施設は、

10年ごとに維持のための大規模改修が必要です。

これから未来にかけて人口は3割減ります。

今このようなものを作っては、

自治体の死期を早めるだけです。

しかも、

国の予算で作るものは、面白くありません。

平和だの、平等だの、教育だのを持ち込むからです。

遊びは純粋に遊びでなくてはなりません。

実際に外国人が求める日本の観光地の要素は、

「スパ」(温泉)

「ナイトライフ」(風俗)

「サイトシーイング」(見物・観光・体験)

なのですが、

二番目のナイトライフについては、

国費で風俗街を作るんですか?

できるわけがないんです。

こういうものは民間がやるもので、

民間がやる以上自然発生するもので、

考えて作るものではありません。

無理に無理を重ねても誰も踊りません。