不動産の査定

不動産工房ゆくはしの初仕事としてお引き受けした不動産の査定がありました。

今年の3月ぐらいの話です。

中古住宅の査定で自分の身内の知り合いの依頼でした。

一般的に不動産査定は基準が何通りかありまして、

大きくは、

「路線価」

と呼ばれる課税の基準になる価格と

「基準標準地価」

と呼ばれる近隣での取引の実績に基づく推定価格とがあります。

この基準より高く売れるというのは、

都市部以外では現実的ではない場合も多いのですが

参考までに不動産工房ゆくはしでは

「路線価」「基準標準地価」「売り出し価格(2種類、高めと安め)」「実売価格」

という提示をしています。

不動産工房ゆくはしでは現在自社買い取りは行っていませんので

仲介での販売価格の提示でとして

「すぐ売れる価格」

「いつか売れる価格」

を提示せざるを得ません。

ただし、

お客様はそれよりさらに高い金額を希望される場合も多く

そういう物件は売れません。

査定は鑑定ではありません。

査定と鑑定の違いは、

鑑定は財産の価値としての鑑定であり

正しい基準において公的に通用するもので

不動産鑑定士資格者以外には提示できないものです。

査定は、それぞれの独自の基準で提示できるもので

査定する人の価値観によって価格は変動します。

さて、

査定の依頼は中古住宅でした。

路線価は坪当たり約8万円ぐらいの場所です。

基準地価も同じくらいなんですが、

問題は実績で、直近の取引はどれも坪5万円以下なのです。

更に、家も倒産したタカスギという会社の建売で状態も非常に悪いうえに

未登記増築を何度か行い

かつ、建蔽率ぎりぎりという難しい物件でした。

60坪でしたが

「売り出しは450万、実際は300万から400万で売れると思います」

ま、常識的な価格です。

この査定に売り主様はキレました。

「1000万ぐらいになるはずだけど、おかしいんじゃないか?」

自分で1000万で売りたい希望があるのなら

査定などせずに1000万で売り出せばいいんです。

「お前らには頼まん!」

 

その後・・・

知り合いの不動産会社の人から

「〇〇の物件の売り主〇〇さんって知ってますか?」

「はい、家でしょう?ボロっちい」

「そう、あの物件580万って言っているんですけど

買取業者から550万で話が来てるから早く返事しろと言われているんですけど、

どんな感じですかね?」

「買取業者は550出さないと思います。買えないでしょう?あれ」

「ですよね~」

〇〇さんあっちこっちの不動産会社と喧嘩しているみたいですけど

不動産工房ゆくはしの査定はブレません。

自分は日本一の中古住宅買い取り業者にいた経験値があるので

中古住宅の価値はわかります。

その買取業者の基準で考えると300万ですし、

他社がいくら頑張っても350万にしかなりません。

中古住宅再生業者の一番嫌うタイプの家というのがあるんですが、

RC(鉄筋コンクリート)車庫の未登記無許可増築に

二階の増築がという現状。

RC車庫は嫌われるので壊して撤去すると家が崩れるという最悪パターンです。

しかも、建築許可を受けてないので

再建築の際相当に怒られるし、下手をすると建築許可が降りません。

リスクが高いのに、売りにくい最悪のパターンです。

この話のポイントは、

「都市部に住む息子は田舎の実家の土地建物の価格は高いと信じている」

田舎の土地はこれからまだまだ下がります。

最後には

「ただでもいいからもらって」

という状態になりますし現実にそういう話は少なくないのです。

ここ2~3年が売りどきでしょう。

田舎の土地は売れるうちに売った方がいいです。

この物件最後は不動産工房ゆくはしに戻ってきました。

いくらで売れたかって?

もちろん350万円です。

「お客様に対する最良のサービスは正直に告げることです」