家の耐火性能

家の性能は、基本的に住宅金融支援機構が定めるものが標準となります。

家は、大半の人がお金を借りて建てるので、

お金を貸す側の要求するスペックが、

住宅メーカーの設計の基準となります。

その部分を無視すると、家は売れないので、

建築基準法で許される部分でも、

住宅金融支援機構が認めないものは、

住宅金融支援機構のスペックが優先されます。

これ耐火などに表れるのです。

都市計画法に定められる防火地区や準防火地区、

あるいは、

建築基準法に定める耐火や、準耐火、

あるいは22条地区などでない場所においても、

住宅金融支援機構で

「省令準耐火構造の建物」

と決められていますので、

非線引き、無指定の地域においても

建築されるのは、これらの基準を満たしたものになります。

ここで問題なのは、

これら法律は、

「命を守る目的が基準であって、財産を守る目的ではない」

という事。

「何が言いたいの?」

これら耐火の構造はすべて、

「避難する時間を稼ぐ」

目的で作られています。

つまり一瞬で燃えて逃げ遅れないように、

「じわじわ燃える」

様に作られているのです。

じわじわ燃えるので、

消防が駆け付けた時点では家は燃え尽きておりません。

これに水をかけるので、

「あんまり燃えていない火事になった家」

になります。

これ現実には修理しても住めません。

しかし、

火災保険では全損していないので保険が満額降りることはなく、

家を建て替えるほどのお金が出ることはありません。

住宅ローンが残っている場合、これは大変なことになります。

実際に、

近頃の災害で被災者にのしかかっているのがこの問題なのです。

「なんで仮設住宅から出ないんだろう?」

災害の被害者で場合、こう考えるのは普通だと思いますが、

現実問題として仮設住宅から出るに出られないのです。

元の家はローンを抱えてくしゃくしゃ、

建て替えることも修理もできない。

これが現実です。

あまりに強固な耐震性能を持った家は、

地震で家の形のままぶっ倒れて壊れていない、というような現象すら起きます。

鬼怒川の氾濫の時もヘーベルハウスが耐えたと話題になりましたが、

あれ保険的には全損扱いになるか微妙だと思います。

つまり、

「〇〇ハウスは地震に強い」

「〇〇ハウスは火事に強い」

これ本当にいいことなのか考えてしまいます。

不動産工房ゆくはしのある行橋市は、

マグニチュード3.5以上の地震が1000年間来ていません。

それでも、お客様は、

「耐震性能はどうですか?」

と聞かれます。

本当のところ、法的に建てられないのでどうにもなりませんが、

「耐震性の低い安い家」

でもいいのではないかと思ってしまいます。