道化揺

アメリカのトランプ大統領のなりふり構わないアメリカ経済の保護政策の話題が毎日報道されております。

トランプを立派とみなすかどうかはともかく、

トランプがアメリカ経済の保護に走る意味は、

「自分のため」

です。

トランプは、

破産するかどうか微妙なボーダーラインにいます。

これは不動産王という表看板が原因です。

不動産王であること=借金王であること

つまり、

不動産王になるために膨大な借金があるという意味です。

不動産に関する借金が多いということは、

「地価が下がると抵当割れする」

ということで、

地価を上げるためには、バブルを起こすしかありません。

不動産バブルというのは、起きる絶対条件があります。

それは、

「低金利である」

「景気が良いこと」

ということです。

ところがアメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は、

金利をあげようとしています。

これは投資が加熱し過ぎで危険水準にあると、

みなしているためです。

「大統領の命令で利上げをやめさせればいいじゃん」

連邦準備制度理事会は政府機関ですが、

予算の割当や人事について大統領の干渉を受ません。

つまり、

大統領はFRBをコントロールできません。

で、

2018年7月20日、

つまり今日、トランプ大統領は

「(金利を上げるのは)うれしくない」

これ実は、

史上はじめての大統領によるFRBに対するコメントになります。

歴代アメリカ大統領は、

FRBの独立性を尊重する立場から、

FRBに対するコメントを避けてきました。

トランプはこれに逆らい堂々とコメントしてしまい、

報道官がコメントを控える事態になっています。

この事実からも、

どれだけトランプが追い詰められているかわかります。

なんとか地価を上げなくては「やばい」のです。

金融機関は、

担保としての土地の評価が貸したお金に見合っている限り、

金利の支払いさえされていれば何もいいません。

ただし、

担保の価値が下落し、

貸したお金に見合わなくなった場合、

「担保の追加」もしくは「一部返済」

を要求します。

「一部返済すればいいじゃん」

それが簡単ではありません。

お金の返済は、「益金」から行います。

つまり利益から支払うため税金がかかります。

トランプは、噂によると税金を支払っておりません。

つまりそれほど追い詰められているのです。

保護政策によってアメリカから出ていくお金を減らせば、

投資によって土地の値段が上がると考えているのです。

「じゃあトランプを支持している人は騙されているの?」

そうではありません。

利害関係が一致しているから支持するんです。

アベノミックスも同じです。

意図的にバブルと同じ状況を作り、

バブルのように崩壊させずに軟着陸を狙っています。

安倍首相のすごいところは、

麻生副総理と菅官房長官と三人で全くぶれないことです。

これをいいとか悪いとかいいません。

ぶれないことがすごいのです。

「ただ…」

人は景気に踊ります。

いくら抑制しようにも人の欲には際限がありません。

うまくいくかどうかは後の世が決めます。

「さりとてはいとおぼつかなくてやはあらむ」