あさきゆめみし

人は不動産に関することについては何らかの「あさきゆめみし」なのかもしれません。

ご存知の通り「いろはうた」の一説です。

意味は、

「儚い(はかない)夢は見ないようにしましょう」

というのが正しいようです。

「相続」

「家の購入」

など、

不動産に関する何かが起きると、

人はそれについて夢を見ます。

夢というのは厄介なもので、

そのことについて考え続けると、

どんどんどんどん膨らんでいきます。

膨らんだ結果こぼれ落ちるのは、

「幸せな気持ち」

で、この快楽のために人は夢を見ます。

ただし、

膨らんでいく夢はいつしか現実から、

どんどんどんどん離れていきます。

現実から離れてしまえば、

誰からも相手にされなくなるものです。

これを、

「あさはかな夢」(浅くはかない夢)

=自分に都合の良い吹けば飛ぶような夢

と呼びます。

ハウスメーカーの営業というのは、

マイホームの夢を叶える場合もありますが、

お客様に現実をお知らせするのが殆どの仕事だったりします。

お客様は、

「一生に一度の買い物だからこうしてああして…」

「そこまですると土地は200坪以上、

建築費は1億ぐらいかかりますが大丈夫ですか?」

「…」

これが現実です。

ところがこういうお客様は、

この時点で諦めたりしません。

自分の住宅ローンの限界が3000万円だとすると、

3000万円で、

1億円の夢を叶えてくれるハウスメーカーを探し始めます。

そうしてほぼすべてのハウスメーカーを回った後、

年齢的に45歳を超えて35年ローンが無理な段階に来て初めて、

あさき夢より冷めたりします。

この時点で現実的になると、

  • 子どもたちがそれぞれ独立する年齢になり
  • 何年かごに夫婦二人だけの生活になり
  • 車も何台も必要なく
  • 小さな家と家庭菜園ぐらいあれば充分

というような家が一番いいことに気が付きます。

この方の間違いは、

「40才かあ、そろそろ家を」

というスタートと、

「家は一生に一度の買い物」

という意識だったりします。

家は洋服と同じ、

必要に応じて代えるぐらいの柔軟性がある方が失敗しません。

あるいは、

相続で土地を取得したとします。

「200坪あるんだから坪10万円として2000万円かあ」

「400万がせいぜいですね」

「ふざけるな!」

嘘つき、詐欺師、等

いろんなお褒めの言葉をいただきます。

そこでこちらの答えは、

「ご希望の値段で売れる不動産屋にご依頼ください」

でしかありません。

これ面白いことに、

何年かすると帰ってくるんです。

必ずではありませんが、

「やっぱりお宅が一番信用できるので…」

以前詐欺師と呼ばれましたが?

「あれから時間が経ったので300万円ぐらいにしかなりませんよ」

「はあ、おねがいします」

あさきゆめみし、

浅はかな夢を見たばっかりに、

見かけ上の100万円の損と、

固定資産税の損、

除草費等の管理費用の損、

これら払う必要のないお金を無駄にしてしまいました。

「いろはうた」

は人生を戒める言葉とも言われます。

気をつけましょう。