おたくの会社は買ってもらおうという気持ちが足りない

先日ご案内したお客様のセリフです。

「あの、これはやってもらえるんですか?」

「出来ません」

「これはサービスしてもらえるんですよね」

「出来ません」

「これとこれとこれは売主さんの責任ですよね?」

「違います。買主の責任です」

「値引きは…」

「出来ません」

「あなたさっきから何ですか?感じの悪い」

「そうですか?

出来ないことは出来ないと申し上げているんですが」

「買ってもらおうという意思はないんですか?」

買ってもらおうとは思いませんね。

土地込み350万円の家でああしろこうしろ、

挙げ句の果てに100万値引きしろとかありえないんですけど。

安いのはそれら込みでの値段であり、

不動産は何度も言うように

「買ってもらう」

なんてありません。

売りたい人と買いたい人の同意による契約であり、

「お客様」

などいません。

「もういいです、おたくの会社はちょっと違う」

このお客様ブチ切れてお乖離になられましたが…

すぐに他業者から連絡があり、

「〇〇の物件なんですが、

おたくでは買いたくないと

おっしゃるお客様がいらしているんですが…」

「専属専任ですので、御社での客付けでもいいですよ」

「そうではなくておたくの会社を外せとおっしゃるんです

「他に買いたい人がいますので

その方にお売りする理由がないんですが」

「そうですね、わかりました」

30分後また別の業者から連絡があり、

「〇〇の物件なんですが、

おたくでは買いたくない…」

「〇〇という方じゃないですか?

うちではあなたにお売りしませんとお伝え下さい」

「…ですから、うち単独で扱えないかと…」

「専属専任の意味がわかりますよね?」

「はい」

「じゃあだめですよね?」

「はい」

とまあ延々とこういう無意味な会話になるんですが、

実は不動産業界でよく訴訟の対象になるのが、

「これはやってもらえますよね?」

というお客様も質問に対し

「はい、がんばります」

「大丈夫です」

こういう受け答えは、

評判の良い営業の答えです。

しかしこれは、最も不動産の訴訟の多い

受け答えでもあります。

特に大丈夫ですが怖く、

これを行ったがために会社に

多大の損失を与えることになります。

今回は、

なぜこんなひどい受け答えになったのかというと、

全て他のお客様より頼まれて

売主様から拒否されているからで、

これを

「なんとかやってみます」

とはいいません。

ムリなものはムリなので、

こうなります。

これは、

「営業成績はそこそこだけど、

不動産トラブルの少ない営業のスタンス」

です。

どちらがいいかは、経営者の考え方です。

不動産工房ゆくはしは、トラブルを回避します。