この印籠が目に入らぬか?!

「この印籠が目に入らぬか」

テレビドラマの水戸黄門のセリフですね。

ちなみに水戸光圀公は、一度も旅に出たことがないんだそうです。

作者不詳の講談によって、

「水戸黄門の世直し旅」が、有名になったんだそうです。

さて、不動産取引は、法的な契約行為なので、

何らかの証明が必要になる場合があります。

賃貸に入居の審査もそうですが、

住宅ローンの事前審査もそうです。

よくお客様が、「審査には通っています」と言われます。

「入居に際して保証会社の審査が…」

「審査通ってます」

「???」

「この間、他の会社で審査員通りましたので大丈夫です」

「…」

審査する対象も金額も違う、

あるいは、その間の生活状況が変化しているなど、

少し前に別の物件で通った審査は意味を持ちません。

こういう方には、

もう一度審査しないといけないということを説明するのですが、

なかなか理解していただけません。

やっと納得いただいて審査してみると…

審査に通らなかったりします。

これが売買いだともっと大変で、

現実には、

不動産業者も建築会社も現実を知らなかったりします。

不動産工房ゆくはしのHPを

いつもご覧になっている方ならおわかりでしょうけれど、

「フラットの審査は、意味がないですよ」

ということです。

日本には政府の方針で、

個人の信用情報をデータベース化する機関が3つあります。

JICCなどがそれに該当しますが、

フラットの事前調査では、

信用情報をデータベースなどは参照していないと思われます。

なぜなら、本審査の時「これだめですねえ」がよくでます。

銀行の場合、

事前審査の段階で保証会社にデータを流すため、

事前でOKで、本審査でだめですはまず有り得ません。

事前がOKなら本審査もOKです。

通常、不動産や建築のプロは、各種ローン状況を聞き取りし、

収入状況を聞き取りした上で、

ローンが可能かどうか判断します。

モデルハウスなどでハウスメーカーの営業が

「はい、事前通してみましょう…OKでーす」

と、やるんですが、まあこんなことは現実には不可能です。

事前は審査に最低でも一昼夜かかります。

朝出して、夕方出る場合もありますが、

これは一部上場とか公務員などの特殊な場合のみです。

一般的に審査の時間がかかる案件ほど、

内容的に厄介なことがある場合が多いようです。

つまり、

「ひかえおろう!この印籠が目に入らぬか」

と言う風に、事前審査や、

保証会社の審査結果をお出しになられても、

現実には何の意味も持ちません。

審査はあくまで

「ケースバイケース」ということをお知り置きください。