中途半端な知識で相続を語る人々

自分は相続については、「相続診断士会」会員で、常に勉強しています。

ただ、相続は勉強すればするほど怖くなるのです。

今現在の自分の立ち位置は、

「税理士より突っ込んだ相続相談が出来る」

と言うポジションになろうかと思います。

これは、「税理士より詳しい」のではなく、

税理士ではないので、より法律のグレーゾーンに踏み込める、

と言う意味です。

ただ勉強途中であり、裁判の判例との突き合わせでもあるので、

相続の相談において簡単に

「こうですよ」とは言えなくなりました。

相続は奥が深いので、

軽はずみに返事ができなくなるんですが

他の人は、表面的な知識しかなく、

「うわっ」という思うようなことを平気で話しています。

自分は民事信託も毎月勉強会に参加して、

かなりの研鑽を積んでいますが、

これもまた奥が深いので、うかつに話したりはしません。

今日なぜこういう話題になるのかと言うと、

「これからの不動産は相続対策」的なセミナー

あるいは、

「不動産業生き残りの民事信託」的なセミナーが、

物凄く多いのです。

これまでにも、このブログで書いてきたとおり、

「不動産業者の知識は広く浅い」

のです。

これは宅地建物取引業法の求める宅建業者の姿が、

「広く浅い知識」なので業界は、その姿になります。

ごく少数の人が、

より深い知識を求めて研鑽しているに過ぎません。

それを、

相続や民事信託のフランチャイズと称して、

300万円とかの加盟料を取って、

3日ぐらいのセミナーで、「あなたは専門家です」

これってどうなんでしょう?

自分は、毎月3年間勉強会に参加して、

年間5~6回の不定期のセミナーに参加して、

未だに、「相続の専門家」を名乗ったことはありません。

相談はお受けしますが、

「問題を起こさない」

が不動産工房ゆくはしのスタンスなので、

一人ひとりのオーダーメードになります。

「適当に」なんて怖くてできないが本音です。

しかしみなさんは中途半端な知識で、

軽々しく相談に乗り失敗してヘラヘラしています。

なぜこんなことがまかり通るのでしょうか?

なぜいい加減な知識で相続を語るのでしょうか?

これには理由があります。

「相続税が発生する相続のおよそ8割が、

税務署の調査を受けて追徴されるのだが、

これについては税理士も弁護士もほとんど勝てない」

という事実があるからです。

これは弁護士や税理士が悪いのではなく、

「隠し財産のことを

弁護士も税理士も知ることができなくても、

税務署は知っている」

ということなのです。

依頼者は、最初からバレていることを隠そうとします。

弁護士や税理士に言うと税務署にばれると思って言いません。

弁護士や税理士は知らずに申告します。

ほぼ自爆です。

つまり、

「誰がやっても捕まるんだから、

適当に相談に乗ればいいじゃないか」

…これが本質だと思います。

これについては、どうしようもありません。

不動産工房ゆくはしでは、

「絶対に隠し事はしないでください」

がスタンスですので、

隠し事が発生した時点でコンサルを降ります。

不動産工房ゆくはしなりの信用があるので、

いい加減な仕事はできません。

すごく大変な作業で、

コンサルタント料を考えると見合いません。

ですから顧客に特に頼まれた場合にしか相続と民事信託は

受け付けていません。

今また、そういうセミナーのFaxが来ました。

どうでもいいのですが、もう少し勉強してください。