兵どもが夢の跡=詐欺師たちの宴

先日ご相談いただいた土地なんですが、

所在地がわかりませんでした。

登記簿上には存在しますし、

字図上にも存在するんですが、

その土地を含むエリア全体が自然に帰っていて、

どこがどこなのかわかりません。

これ、

「原野商法」

という詐欺に引っかかった結果なんです。

およそ昭和35年ぐらいから昭和50年ぐらいまでは、

日本全国でこういう詐欺師が活躍していました。

実際には今現在も続いていて、

北海道や、栃木県、三重県などの、

人がその場所に行くにも遭難するような場所の

土地の売買が行われています。

「中国人が北海道の土地を買い漁っていて、

北海道を占領するつもりなんだ。

だから、日本を中国の侵略から守るんだ」

これ、原野商法をうまくやるためのガセ情報です。

いくら中国人が日本の土地を買い漁っても

日本の領土内での独立は日本の法律上できません。

北海道を中国が領土にするためには、

戦争して占領するしかありません。

さて、

行橋で、

不動産業を起こして不動産工房ゆくはしは4年目なんですが、

こういう、

「自然に帰った土地」

を見るのはこれで4件目です。

こういう土地はすべて、

  • 何らかの国家的な土地の計画がある場所の近く
  • 水資源などの存在する山林

がほとんどです。

実際持ち込まれた詐欺の土地も、

東九州道付近=2件

国道201号線付近=1件

国道10号線付近=1件

です。

これ全部少なくとも50年前には計画があったものばかりです。

当時は土地の値段が右肩上がりに上がっていた時代で、

行橋の田舎でも坪10万円とか普通にあった時代です。

「この土地買いませんか?値上がり確実ですよ」

これ普通に信じたのだろうな、と思います。

なぜなら実際に毎年土地が値上がりしていた時代なんですから。

「ここだけの話なんですが、大きい道路もできるんですよ」

と、

計画図を見せられると、

ちょっと小金があるお父さんは、

一発で引っかかります。

さらに、

こういう営業は基本女性なんです。

お父さんのスケベ心もくすぐって、

「はい詐欺被害者お一人ご案内」

となります。

さて、

時は流れて50年もすればお父さんは亡くなります。

相続が発生するんですが、

「この土地何でしょう?」

となります。

お父さんは、

「俺は行橋に財産があるんだ」

と夢見てお亡くなりになっています。

家族は?

その場所に行ってみてもどこかわからない得体の知れない土地、

固定資産税や相続税だけがかかったりします。

困り果てて不動産工房ゆくはしに来られてあっさり、

「原野商法の土地ですね。詐欺ですよ」

その土地を買った時の記憶を奥様が持たれていた場合、

「買った人から1千万円で売れると言われたんです。

1千万円で売れないんですか?」

「1円でも買う人いませんよ」

「そんな※△◯…」

例えば、

エリアの所有者が全体で20人いたとします。

当初騙された人20人です。

50年後の現在。

相続人の数で考えると100人超えています。

この土地を売るためには、

測量し直して、

100人以上の相続人全員の同意を得ないと、

土地の場所の確定ができません。

100万円や200万円でできる仕事じゃないですよ。

しかも個体資産税の評価額でも坪当たり3万円以下の土地で、

こういう詐欺の土地は50坪以下がほとんどなんです。

下手をすると家が建ちません。

つまり売れません。

こういう土地でお困りの場合、

不動産工房ゆくはしでは、

「不動産コンサルティング」

として扱います。

売り買いが成立しないけれど処分が必要な土地の場合、

仲介手数料が算出できないからです。

こういう案件は、

まずご相談ください。

解決できない場合もあります。