手に負えない土地の処分

相続の時に、手に負えない土地があります。

手に負えない土地というのは、

  1. 家が建たない土地
  2. 水が出ない土地
  3. 排水できない土地
  4. 山林
  5. 保安林

などです。

その他、いわゆる土地投資詐欺に、

引っかかった土地というものがあります。

こういう土地の中でやはり悲惨なのは、

土地投資詐欺の土地で、

きちんと造成された土地のなのですが、

住宅地としてはまったく魅力のない土地を

「高速道路ができるから値上がりする」等の

言葉に騙されて購入させられた土地でしょう。

ここで面白いのは、購入者は、

「高速道路が出来たらなぜ値上がりするのか?」

をまったく考えないところです。

確かに、誘導する詐欺会社の営業トークもすごいのですが、

それ以上に、騙されて購入する心理が面白いと思います。

「高速道路ができる」=「便利になる」=「値上がりする」

この方程式が頭の中で展開されるため、

騙されていると考えません。

「あなたは、高速道路が家の前にあると嬉しいですか?」

自分は嫌です。

危ないし、うるさいと思います。

さらに、トラックなどが時間つぶしで不法駐車をするとか、

いいことはほとんどありません。

「便利でしょう?」

毎日高速道路を使ったりしません。

高速道路は料金がかかるため必要なときにしか使いません。

つまり、高速道路が出来ても価値が上がったりしません。

これ不動産業者の常套手段です。

例えば、JRの駅は作りにくいのです。

それに対して3セクの駅は作りやすいのです。

で、

「〇〇鉄道の駅ができますので、

値上がりします(便利になります)」

この、値上がりしますとか、便利になりますは、

NGワードなので、本来言うべきでない言葉です。

普通の不動産屋はいいません。

これを使うのは、怪しい不動産屋です。

でも買ってしまったらどうしましょう?

相続の時に困ります。

投資物件というのは、転売目的ですので

買った人はその土地を管理しません。

売った会社は、すぐに計画倒産するため、

管理できません。

つまり、「原野に戻る」ので、

まったく手に負えない土地になります。

解決方法は、固定資産税がかからない土地については、

放置しかありません。

相続登記がない場合は、いずれ所有者不明地になりますが、

これは登記法が義務でなく権利なので、

国側の法整備の不備なので仕方ありません。

問題は固定資産税がかかる場合です。

これはどうにもならないので、

多めに相続する人に管理してもらう以外ありません。

山林は、共有の場合、持ち分放棄で解決できます。

共有でない場合も、

筆界未定になってしまっていることが多く、

すでに所有者不明地だったりするので、

放置しかないのが現状です。

保安林は、まったく気にする必要はありません。

保安林は、国が何らかの目的において、

土地の所有権から、使用権や管理権を分離したものなので、

非課税ですし、

持ち主がその土地に対して、

何らかの行為を行うことは出来ません。

つまり、何かをすることが制限されていますので、

放置しかありません。

これについては、登記の義務化しかないのですが、

おそらく国は登記の義務化に

舵を切ることはないように思えます。

「子供に迷惑がかかるから」

と思うなら、

不動産投資詐欺の話に乗らないようにしましょう。