できませんよ!

相続とか民事信託の話題です。

よくある相談なんですが、

「親が亡くなったって、

遺言書が出てきたのでもめているんですが、

これってなんとかなりませんか?」

「遺言書、裁判所に持っていきました?」

「いいえ」

「それ無効なので気にしなくてもいいですよ」

「えっ遺言書ですよ」

「開けちゃったんでしょ?無効です」

「…」

遺言書は、

未開封のものを裁判所の検認を受けなければ無効です。

あとは、相続する人の気分の問題です。

日本の法律では、

相続については法定遺留分という権利があるため、

「遺産はすべて寄贈する」

等の無茶苦茶な遺言は裁判で否決されます。

つまりいくら正式な遺言書が存在しても、

その内容は法を超越できないので 裁判で否決されます。

困るのは、

裁判所で検認された正規の遺言書で、

内容も法を逸脱しないものを、相続の開始後に

「どうにか変更できませんか?」

と言うご相談です。

これは、

「死んだ人が生き返れませんか?」

と同じぐらい無駄な質問です。

相続は、死後始まります。

つまり、人は生きている限り人です。

亡くなって初めて「非相続人」となります。

相続の開始は「死後」に限られます。

「俺、昔、相続放棄の文章に署名しました」

これ無効です。

相続が発生していない上に、

将来のいつの時期に始まるか予測できないものについての、

契約行為はできません。

相続は、亡くなってから

相続対策はなくなる前と認知が始まる前

事業承継も相続前

このことをきちんと理解されていないようです。

相続が開始されてからの遺言等の執行の変更はできません。

認知症になって、

法定代理人に身内がなれるとお考えのようですが、

これは今現在ほぼ無理です。

法定代理人は、弁護士か司法書士がなります。

家庭裁判所がこの裁定を出した以後は、

財産の移動はほぼできません。

これをなんとかしてくださいとのご相談をよくいただきます。

「できませんよ!」

認知症と診断される前に民事信託等の手続きをしてください。

一旦診断されたら手も足も出ません。

相続予定の財産の管理は、

全部生前に準備しなくてはなりません。

それも、

「意識不明になったから、財産を隠したほうがいい」

こういうことをバタバタやる方も多いのですが、

これはやっても無駄です。

一番困るのは、

「相続税の申告をすると、財産がバレる」

とお考えの方が、税理士の先生に渡す資料を隠したりします。

これバレてます。

税務署はすべての財産を把握してますので、

隠すと脱税による追徴課税になるだけです。

「先生を信用しておまかせしたのに、

なんで脱税になるんですか?」

隠すからです。

できないことは、「できませんよ!」