高知を旅して見えた明治維新

自分は司馬遼太郎の心棒者ではないため、坂本龍馬を全く評価していませんが、

高知を旅することにより、明治維新の本質が見えたような気がします。

明治維新とは、「豊かな薩摩と貧乏な幕府の戦い」でしかありません。

「松下村塾」というテロリスト養成機関を持つ長州は、

戦いの中心になりますが、

これは高杉晋作という屈指の天才がいたからこそ起こり得たことで、

本質的には高杉晋作没後の長州は、

こずるく立ち回り、自ら得た地位を守ることに終始します。

つまり明治維新は、高杉晋作と西郷隆盛によって完成し、

まあ、坂本龍馬はその双方を取り持ったと、

司馬遼太郎は書いていますが、

いなくても何ら問題ない人物だと思います。

ただし、

薩摩と土佐は似たような環境にあり、

似たような風土と気質を待ちます。

上士と郷士の身分の差の激しさ。

コメが年2回取れるなど、食物生産力の豊かさ。

漁業の豊かさ。

そして、海外との接点、特に薩摩は琉球を支配していったため、

幕府以外では唯一海外との交易が普通に出来た環境にありました。

つまり、

幕末、薩摩は果てしない資金力があったということです。

一般的に経済を支えるものは、二つに言い分けられます。

「一つは金」「一つはカネ」

これは同じものではありません。

金というのは、現金に象徴される株や証券、

工業生産などの商業系のものであり、

カネというのは、

農業・鉱業の生産などで生み出される価値のことです。

不動産は、「金」と「カネ」との中間のものです。

換金可能な価値であると同時に、生産可能な価値でもあります。

昔の国、いわゆる藩の力関係は、

領土の広さと生み出される価値の「カネ」と、

流通経済及び工業生産と商業で生み出される「金」によって決まり、

それを国力と言います。

現実にこれは今現在に国家でも同じで、

「金」を生み出す力はあるけれど、

国土が狭く「カネ」の生産のできない日本より、

「カネ」と「金」の両方生み出す

中国やアメリカ、ロシアには勝てません。

このことは、

近い将来日本の経済力は、インドやカナダ、

オーストラリアなどに抜かれることを示唆します。

つまり日本の30年後の姿は、

ドイツやフランスなどの、

工業生産と食糧自給の国にならざるを得ません。

そのための理想の人口は、

ほぼ6千万人と推測され、

これも30年簿の予測を裏切らないのです。

主題である明治維新は、

戦がなくなり人口が爆発的に増えた日本の経済が、

四国と九州以外は破綻状態になってしまったので、

自然発生的に起きたものだと推測すると、

理解しやすいかと思います。

この先鋒となった維新の志士というのは、

現実的にテロリストに過ぎません。

そういう意味では毛沢東もカストロもテロリストです。

明治政府というのはテロ集団である長州松下村塾のメンバーが、

維新の成功をめどに、

坂本龍馬と西郷隆盛を抹殺した結果完成したといえるのです。

それでもおそらく、

日本の経済が破綻しようとも、

四国と九州だけは生き残り続けるでしょう。

北海道は温暖化が続く限り食糧生産が続くために豊かでしょう。

本州、

特に大都市圏は経済破綻と同時に飢餓が襲い掛かると思います。

四国と九州は暮らすのにいいところです。