やっちゃいけない不動産のおとり広告と誇大広告

近頃不動産の買い取り案件が多いように思われます。

ただし、

「高く買います」

という表示を見受けますが、

これ、

広告として問題があるんです。

高く=何と比較して高いのか?

という部分が曖昧なのです。

当然不動産業でこれをやると、

「宅地建物取引業法32条」

の違反となります。

いわゆる誇大広告です。

我々宅地建物取引業者は、

「業として土地建物を売り買いするもの」

と考えられます。

土地建物の買い取りは仕入れです。

他社より高く買うと儲かりません。

少しでも安く買うのが仕事です。

よく、

「何社かで査定してもらって高いところに任せる」

というお客様がいらっしゃいます。

これ実はあまり頭のいいやり方とは言えません。

確かに、

「少しでも高く売りたい」

という気持ちはわかるんですが、

我々は業なので高く仕入れても仕方がないんです。

不動産工房ゆくはしでは、

持ち込まれる買い取り案件は、

他社と相見積とか、

買い取りではなく仲介であっても、

少しでも高くという業者が他にいる場合は、

「そちらにお任せになってください」

というのがスタンスです。

100万円の物件を1億で売りたいといえば、

それはお客様の勝手です。

ただそんな値段では売れないだけです。

売れなければ、

建物だと朽ちていくし、

土地だと除草などの管理の費用がかかります。

そしてどちらも毎年固定資産税がかかるので

損がどんどん広がります。

お客様のためにはなりません。

「他社より1円高く買うんだからいいだろう?」

他社が存在するのか?

他社が正式な査定を出しているのか?

根拠はあるのか?

これがない限り、

あいまい表現であることは間違いありません。

また、こういう例もあります。

「渋谷駅徒歩5分2LDK5万円」

こういう物件あり得ると思いますか?

事故物件なら考えられるんですが、

一般のマンションとしては考えられません。

これ試しに電話しても、

「たった今契約になったんですよ」

とか、

「申し訳ないんですが決まりました」

と言われます。

これ、

実際には存在しない物件なんです。

いわゆる、

「おとり広告」

と呼ばれるものです。

前出の宅建業法32条と

「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)21条」

の違反となります。

以前不動産工房ゆくはしで、

「東京の大学に進学する娘のアパートを探してほしい」

という仕事がありました。

これ半端なく苦労しました。

こちらは業者として電話するので、

「あ、決まりました」

だけなので、

本当におとりかどうかはわかりません。

ただ同じ物件が、

1ヶ月後にもインターネットにあったりするので、

おそらく実在しないんでしょう。

これが一般の方の電話の場合、

「その物件はないんですが、それに近いこういう物件は…」

となります。

誘導されて条件の悪い物件を契約させられたりします。

このお客様、

上の息子さんが進学の際にこれをやられているので、

不動産工房ゆくはしに依頼されたのです。

「自分を守るための優しさ」

という嘘、

お気をつけください。