不動産手数料について

不動産の手数料が少し変わりました。

一般的に言われていることですが、

「日本の不動産手数料は不当に高い」

というものです。

しかし、

日本の不動産業は、

諸外国の不動産業と比べて業務の内容が極端に多く、

かつ責任が大きいのが特徴です。

土地の売買だけでも

  1. 建築基準法
  2. 都市計画法
  3. 埋蔵文化財
  4. 上下水道の配管状況及び計画
  5. 道路計画
  6. 消防法
  7. ハザード
  8. 周辺環境及び忌避施設の有無
  9. 自治区
  10. 水利権
  11. 占有権
  12. 事件事故の履歴

などなど、

これだけの調査を必要とします。

調査に回る役所だけでも、

行橋の場合、

  • 行橋市役所
  • 行橋合同庁舎
  • 豊前合同庁舎

などで、

築上町など役場が二つに分かれている場合、

両方行かなくてはなりませんし、

北九州市でしたら

  • 北九州市役所(何フロアもうろうろ)
  • 水道局(市内に二つある)

これ書類の発行手数料だけでも最低4千円かかります。

これきちんとした業者なら普通にやりますが、

売買代金が400万円以下の場合、

ほとんどもうけが出ません。

日本の本来の不動産の仲介手数料は、

平成29年12月31日までは、

  1. 200万円以下の金額=5.4パーセント
  2. 200万円を超え400万円以下の金額=4.32パーセント
  3. 400万円を超える金額=3.24パーセント

これ100万円の土地売買でしたら、

5万4千円しか手数料はありません。

  • 書類 約4000円
  • 交通費(ガソリン代) 1200円
  • 調査日数 2日~1週間
  • 重要事項説明書及び契約書の作成3日

これ給料を払うと赤字になります。

不動産工房ゆくはしのある

JR日豊本線「新田原駅」付近は、

こういう取引が多く不動産業としてはまったくの儲かりません。

実際に、

「400万円以下の仲介はしない」

という業者も多く、

国土交通省の空き家対策も行き止まりになっていました。

平成30年1月1日からも、

この規定は変わりませんが特例ができました。

「空家等の売り買いまたは交換の媒介における特例」

という手数料の実質改正が起きました。

「空き家対策だけど

400万円以下の取引は18万円もらってもいいよ」

ということになりました。

要するに、

「塩漬けにせずに不動産を流通させなさい」

ということです。

不動産工房ゆくはしは地域密着型の不動産屋なので、

これまでも5万円程度の手数料の仕事も

真面目にきちんとやってきました。

この町で生きるためには仕方がないのです。

ですから、

今回の手数料値上げはちょっとありがたいです。