不動産業界の未来
インターネットでは「不動産業界の展望」的文章が散見されます。
その文章の内容は、
- 人口が減るため業界は縮小する
- 大手不動産、もしくはフランチャイズしか生き残れない
ということに集約されるようです。
なるほどね、
とは思いません。
不動産業というのは、
その事業内容から、「サービス業」と考えられます。
サービス業の経費の大半は「人件費」です。
つまり、
不動産業は、「労働集約型」のビジネスと考えられます。
労働集約型のビジネスで単純に利益を出す方法は、
「給料をなるべく支払わずに長時間労働させる」
これしかありません。
世にブラックと言われる企業は、
労働基準監督署の指導が入ると業績が悪化します。
これは、
「払うものを払わず利益を出していたのに、払えば潰れる」
ということに過ぎません。
今現在不動産業に携わる人の平均所得は、
「660万円」
程度なんだそうです。
仮に、大手不動産会社で5千人の従業員がいたとします。
年間の給料は、
6,600,000円✕5,000人=330億円
これ、社会保険料等の雇用費を含んでおりません。
役員報酬も含んでおりません。
売上にかかる人件費以外の経費を売上の20%と考えても
年間最低500億円以上の売上がないとつぶれます。
今例えば1千億円の売上があったとして、
少子高齢化の影響で毎年10%程度の売上の減少が起きる場合、
大手ほど人件費でつぶれていきます。
これリストラの嵐が追いつくかどうかの勝負です。
次にフランチャイズですが、
これも加盟料とか、フランチャイズ料とかを考えると、
人を何人か雇うのと同じになります。
フランチャイズになるのは、
当然あまり大きくない不動産屋です。
不動産業というのは、
実は忙しくて儲かるというのは年間を通してあるわけではなく、
ある一定の時期に儲かり、それ以外は仕事がなかったりします。
つまり、
フランチャイズになるというのも、
無駄な経費がかかるぶん企業としての存続ができなくなります。
実はこれらの文章は、
「誘導広告」
なのです。
- 少子高齢化で不動産の仕事は少なくなる=正しい
- いろいろな要因で土地の値段は下がる=正しい
- いろいろな要因でアパートを借りる人が減る=正しい
- いろいろな要因で不動産の契約が難しくなる=正しい
ということなんですが、
不動産工房ゆくはしのように小さな不動産屋は、
こういうことがあまり関係がないんです。
売上が減れば給料を下げるだけですし、
それは自分たち家族の給料なので我慢すれば済むんです。
「小さな不動産屋は生き残れない」
これ実は正しいんですが、
金銭面で生き残れないんじゃありません。
法律が変わるため、契約書等の作成が難しくなるんです。
つまり、
「勉強をしない小さな不動産屋は生き残れない」
が正しく、
不動産工房ゆくはしのように、
一生懸命勉強するふどうさんやさんは、
ほとんど関係ありません。
地域密着型で頑張っています。