洗濯パン
「洗濯パンが付いてないじゃないですか!」
これお客様から言われた言葉です。
洗濯パンとは、
洗濯機の下にある防水パンのことですが、
これ最近つけません。
洗面室の場合、
床がクッションフロアで少々の水漏れでも問題ないのと
美観のためつけないことが多いのです。
昔と違って洗濯機の性能が上がっているため、
水漏れ等の被害も少ないし、
その分の予算を他に回せるのでつけなくなりました。
つけるメリットとしてよくインターネットの記事などを見ると、
「床下が腐りにくい」
「洗濯機の結露水の処理が楽」
「排水溝の掃除がしやすい」
「振動が防げる」
などがその理由のようです。
実は洗濯パンを必ずつける場合があります。
それは
「洗濯機設置場所が2階以上の時」
です。
しかし、
それすらも最近のアパートではついてない場合があります。
最近、法的なインスペクションの導入で
中古住宅経験値の浅い建築士さんが、
「床下の腐りが少ないので洗濯機パンは…」
自分の経験上クッションフロアの場合、
洗濯パンの有無より
床とユニットバス入口との見切りの
コーキング不良が原因の床の腐りのほうが圧倒的に多いです。
つまり、クッションフロアの場合、
素材の物理的性質により水は浸透しません。
床腐れの原因は、
ほとんどコーキングがない部分からの浸透です。
「いや結露が…」
床下に結露が発生することは実際にはほとんどありません。
通常床下というのは、
きちんとした家の場合、乾燥しています。
家の検査の際床下に潜ると、
生き物のミイラを見ることがあります。
昔の防蟻剤はヒ素ですので
永久的に家の床下には生態系ができません。
何かが床下で死ぬと、腐敗せず乾燥します。
今の防蟻剤はそこまで強力なものはありませんので、
これからは床下で
生き物の骨を発見することになると思います。
普通はそれほど床下というのは乾燥してるものです。
しかし、
床下換気扇など無駄なことをしている家の床下は、
結露だらけです。
床下換気扇は、
排気の際に地中の水分を気化させます。
当然気化された空気は表面温度の違いで結露します。
また、
吸気すれば、家周辺の土の湿気を吸入します。
吸入された湿気は換気扇の風圧で圧縮されますので、
結露します。
つまり床下換気扇をつけると家は腐ります。
洗濯機パンはメリットが多くデメリットが少ないと、
どの記事にも書かれていますが、
「排水溝が汚れて異臭がしやすい」
という指摘が見えません。
これ、
「掃除をすればいいじゃないか」
という事なんでしょうけど、
30kg程度の洗濯機を洗濯機パンの形状から
垂直に15センチ程度持ち上げなければなりません。
これ大人の男でもかなり厳しい作業です。
主婦ができると思えません。
で、
こういうのもありますが高いですよ。
ちなみに不動産工房ゆくはしでは、
リフォーム時特に注文されなければ洗濯機パンはつけません。