事故物件の扱い

「事故物件」

事故物件の扱いは賃貸と売買いで違います。

賃貸の場合、一般的には事件事故のあった物件の場合、

「以前、事件事故があったけれど、

一回他の人が入居して後の契約には告知の必要はない」

という慣例があります。

ただし、説明義務がそれで逃れられるわけでもなく、

慣例ですので実際に裁判になると負けます。

ただし、

なぜ賃貸業者の事件事故物件の扱いがゆるいのかというと、

「損害賠償額が低い」

ことにその原因があります。

仮に意図的な「告知忘れ」ですら、

30万円程度の損害賠償で済みます。

ですから賃貸専門の業者は、

宅建業法やその他関連法の

「限りなく黒に近いグレー」

まで踏み込めるのですが、

賃貸専門業者が稀に土地売り買いをすると、

大やけどすることもままあります。

逆に売買の場合、

損害賠償額が半端ないため

最初から以前あったことについて告知の必要があり、

かつ説明義務もあります。

これは業者が自分を守るためのものです。

よく「過去いつ頃まで」という議論になるのですが、

最高裁の判例では、

50年程度昔の事件について判例が出ているので、

いつまでかわかりませんが相当遡れると思います。

そこで現行民法では、

「隠れたる瑕疵」

というややこしい概念のため争いになります。

これは法律上の概念では「無過失責任」といい、

「本人の過失はないけれど責任を取らされること」

となります。

例を上げますと、

「かつて凄惨な事件がありました。

その場所の周辺が宅地開発され、

事件も風化して忘れ去られました。

ある人がそこの土地を買い家を建てました。

買主は、

後にその土地が事件のあった場所だと気が付きます。

仲介した不動産屋は調査のしようのない事件なので、

重要事項説明書で説明していませんでした」

これ現行民法では責任を取らされます。

実際事件事故の調査はかなり難しいのです。

個人情報保護法があるため警察は普通教えません。

つまり調べる方法がないにもかかわらず、

瑕疵担保という法律において責任を取らされるわけです。

「民法改正になると問題ないの?」

ありますね。

心理的瑕疵についてどう解釈するのかまだわかりませんが、

「心理的瑕疵の存在によって契約の性能を満たさない」

と、

考えうるので契約不適合となり、

賠償責任が発生する余地は十分に考えられます。

「そんなの怖くて土地売れないじゃないですか」

不動産工房ゆくはしの契約書は、

そういう部分の想定済みなので問題は起きにくいと思います。

他社の契約書で、

不動産工房ゆくはしほど踏み込んだものは見たことありません。

ただ法律が改正されるため、

「大丈夫ですよ」

とは言えないんです。

これを簡単に言う不動産業者は怖いと思います。

「やっぱり不動産屋は大手のほうが安心」

これは嘘です。

地元密着型の不動産業者の方が安心です。