日本の行政=ヤマアラシのジレンマ
ヤマアラシのジレンマというのは、
「エヴァンゲリオン」のセリフで有名になった言葉ですが、
もともとはフロイトの言葉です。
意味としては、
「人を思いやり、
愛し愛される(近づきすぎる)ほどに人を傷つけてしまう」
というような意味です。
実は日本の行政はそういう部分があります。
「居住の自由」=「第二十二条何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」
これ、
日本国憲法の住むところを自由に選べる国民の権利について、
書かれたものです。
これにより自由に住むところを選べるのですが、
「生存権の一種」=「第二十五条すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」
これにより、
勝手に住む場所を決めた人に対して、
「最低限の生活の保証」
を国家がしなくてはならないという風に解釈されています。
つまり、
日本国民である限り、
どこに住もうと最低限の生きるための設備を供給する。
と解釈されているようです。
どういうことかというと、
「水道」
これを、
生きる最低限のものと考えているようで、
どんな自治体も水道をひきまくります。
小さな自治体などでは、
「水道利権」
と呼ばれて、
政治と業者の癒着の原因ともなっています。
現実にはこんな馬鹿なことを考えているのは、
先進国では日本だけです。
自分はアメリカにいたので、
アメリカの事情はよく分かるのですが、
「勝手に住むんなら勝手に生きて」
が国家のスタンスです。
電気水などのライフラインは、
「自分でひいて」
という考え方です。
なぜなら、
アメリカの憲法は、
「自由民主主義」
の塊なので、
生きる自由を認める一方で生きない自由も認めます。
キリスト教国なので、自殺は犯罪と考えるため、
自殺する自由を大ぴらに認めることはありませんが、
それの国民の権利です。
あまりに自由を認める憲法なので、
国家は国民をほとんどコントロールしません。
ですからアメリカには、
未だにまともな社会保険制度がありません。
「オバマケア」
で道を開いたんですがトランプがやめようとしています。
国民をコントロールするという概念が、
アメリカでは定着しないんです。
一方日本では、
あれもこれも全部国家が国民をケアします。
これは国家がケアしなくてはいけないと解釈するより、
国家が国民をコントロールしようとしているという意味です。
「お殿様」
の制度がいまだに生きているのです。
結果ありとあらゆる国民の生活をコントロールしようとして、
法律をたくさん作るんですけど、
現在日本では法律の作り過ぎで、
行政がうまく回らなくなっています。
国民を守ろうとして国民を傷つけてしまう。
まさに日本国の今の状態が、
「ヤマアラシのジレンマ」
というわけです。
「法律守って国滅ぶ」
困ったもんです。