エントロピー的な経済の解説
エントロピーの法則というものがあります。
自著
「エントロピー不動産学」
において解説しているものですが、
一般的に「熱力学第二法則」と呼ばれているものです。
当然第二があると第一というものがあり、
これを
「熱力学第一法則」=「エネルギー保存の法則」
と言います。
エントロピーというのは、
存在しないけれど、状態をうまく説明するために必要なもの、
と考えればよく、
「エネルギーは高いところから低いところに下りるが、
下りてしまっても空間の持つエネルギーの総和は同じであるが、
不可逆的なので、不可逆的である理由を
エントロピーで表す」
ということになり、
「坂を下っても空間のエネルギーの総和は変わらないが、
坂を上るということを行うには、
別のエネルギーが必要である」
という意味だと考えるといいでしょう。
この法則は、
「閉鎖された空間のエネルギーの総和は常に等しい」
という前提において語られるものですが、
地球という環境を一つの閉鎖された空間と定義すると、
「地球のエネルギーの総和は常に等しい」
ということになります。
実際の経済に反映させて考えると、
バランスシートというものがあり、
「資本」=「負債」という単純なものでもないのですが、
とりあえず単純にバランスさせる決算報告の一種があります。
日本は現在、
世界で第2位もしくは3位の経済大国ですが、
国債という借金も世界一です。
これをエントロピー的に考えると、
「日本は本来世界で10番目程度の経済国だが、
借金という負のエントロピーによって経済大国となっている」
と説明でき、
国民所得の低さや、社会コストの大きさ、
税金の高さ、国の借金量等を加味して考えて
日本という国の実態を表すと、
「借金まみれだけど、
いい車に乗り、いい家に住み、ブランド品を身に着け、
贅沢な食事をして、海外旅行に行く生活を続け、
自分を金持ちだと勘違いしている人」
ということになります。
こういう人が友達にいると、どう思いますか?
「絶対破滅するなあ」
という感想になり、
「かっこいいなあ」とは思わないでしょう。
それが日本の実態です。
「やばいなあ」
でもないのです。
人間の場合、借金がかさんで返済不能になるとどうしますか?
破産するんですが、
これ、
国も出来るんです。
これを「デフォルト」と言います。
日本は一度昔にやっています。
第二次大戦後の借金を消すために、
「国債の大量発行のち破産」というもので、
ハイパーインフレになりますが、
がんばればなんとかなったので、
今ではほとんどの人が忘れています。
どうもこの国、またやりそうな予感がします。
どうしましょう。