タンス預金
通常タンス預金というのは、タンスに限らず家の中にお金を貯める行為ですが、困ったことになる場合もあります。
遺品整理の現場などでよく、
「◯千万円出てきた」
と言う言葉を聞きます。
実際に、
遺品整理業者や解体業者が
家の中から現金を発見することはよくあります。
当然家族が発見することも多いのですが、
問題は、
「脱税するために故意に隠したお金」
なのか、
「意識ぜず溜まってしまったお金」
なのかどちらかわからない点です。
税務署がそのお金の存在を把握している場合、
どんな事情においても脱税と見なす傾向があります。
税務署が把握してない場合、
「ラッキー」
とはならないことが多いのです。
なぜなら、
あなたが亡くなられた人のタンスの中から、
◯千万円のお金を発見して、
そのままタンスに入れておきますか?
通常銀行か何かに預けると思います。
そうしたら税務署は、
「どこから来たお金ですか?」
と調査に入ります。
ほぼ追徴課税確定です。
お金というのは一旦裏に入ったり,
もともと法的に許されない手段で得たものを
普通に使えるお金にするのは、
ものすごく大変なのです。
これを一般的にマネーロンダリングといいます。
無くなる直前にお金を隠す場合、
税務署はほぼそのお金の存在を特定しています。
つまり、
「タンス預金」
での脱税はできません。
ここで頭のいい人が、
「相続ではなく贈与だ」
と言い張ったとします。
当然追徴課税より贈与税のほうが安いので、
贈与にすれば得をするのですが、
「いつの時点で贈与が行われたか証明が必要」
これ書面がないと認められないことがあります。
なぜなら相続税の考え方として、
贈与があった場合の原則的な取得時期は、
1.書面によるものについては=効力の発生したとき
2.書面によらないもの=履行されたとき
ここでわかりにくいのは、
「贈与」は法律行為なので、
契約とみなされます。
日本は基本契約について「諾成契約」つまり、
口約束でいいと法律はなっているんですが、
実際には証拠を求められます。
「◯月◯日〇〇円贈与します」
と言う書類があれば贈与が、
その日に行われたと言う根拠になりますが、
「〇〇円あげるよ」と口で言った場合、
お金を渡した時点で贈与が行われたとなるからです。
つまり、
「ラッキーお金があった!」
の場合まずそのような書面は存在しませんし、
死後なので贈与とはみなされません。
というより、
相続の場面での後出しジャンケンはあまりうまくいきません。
相続の現場では実際には、
「相続税の税務調査に入った場合8割脱税が見つかる」
と言われていて、
税理士や弁護士も太刀打ちできないのが現状です。
10万円に満たないような小さなお金の場合ラッキーなんですが、
額が大きいと必ずしもいいことではありません。