住宅ローンについて意外に知らないこと 2
今日は「連帯債務」と「収入合算」についてです。
住宅ローンを組む際に銀行から、
「住宅ローンは奥様との連帯債務でお願いします」
と言われることがあります。
これ要注意なんです。
これについてのご相談にお答えする前に、
かならずお聞きしなければならないことがあります。
プライバシーにも関わるし、
失礼な質問でもありますので、
こちらとしてもお聞きしたくはないんですが、
聞いておかないと後々大変なことになるのでお聞きします。
その質問とは、
「絶対に離婚しないんですか?」
ということです。
「連帯債務」ということは、
民法第432条規定される金銭債務のひとつなんですが、
「数人の債務者が、同一の内容の債務について、
独立して全責任を負う債務。
連帯債務が念頭に置いているのは金銭債務であり、
債権者は各債務者に対して
債務の全額を請求をすることができる」
つまり、
銀行はご夫婦どちらにでも返済を求めることができるため、
離婚して別々の生活をしていても、
ある日いきなり住宅ローンの返済を求められることがある、
ということです。
「離婚したときに連帯債務を解消すればいいじゃない?」
おそらく銀行は受け付けません。
連帯債務にする目的は、「担保の強化」にあります。
信用情報で担保の強化が必要な場合に求められるものですので、
借り換えでもしない限り、
連帯債務の解消はかなり難しいと思います。
これ銀行から請求が来たら請求された人は必ず、
「あちらに先に請求してください」
と言うんですが、
どちらにでも請求できる性質のものなので、
払えなければ差し押さえされます。
離婚して再婚した後これが来ると大変なことになります。
「収入合算」というのは連帯保証人の一種です。
連帯債務も選択できますが連帯保証のほうがマシなので、
この場合連帯保証を選んだほうが無難です。
ちなみに収入合算は、支払額の補填という意味合いが強く、
妻の収入は1/2までしか算入できません。
連帯保証型の収入合算の場合、
夫を主たる債務者とするため、
夫が払えない場合に妻に請求が来る性質のものとなります。
一番の違いは、「団体信用生命保険」にあります。
連帯債務の場合、
夫婦どちらかがなくなった場合、
団信の保険金は住宅の支払いに充当されるのですが、
その金額が不足した場合、
残された方は残りのローンを背負うことになります。
保証人型収入合算では、夫に万が一のことがあった場合、
住宅ローンはなくなります。
つまり、連帯債務での契約はしないほうが無難です。