価値という意味不明なもの

先日国宝級の古民家を持つ、という方とお会いしました。

その方の所有される古民家は、

国宝級の価値があるんだそうです。

周りの方は、その方を敬うように扱っていました。

大変な価値のあるものを持つ、

大変なお金持ち、

そういう印象を受けました。

しかし国宝級の価値というのは何でしょうか?

そもそも価値というものの定義を

ほとんどの人が勘違いされていると思います。

価値というのは、お金ではありません。

価値=お金と考えることが多いのですが、

実際に価値というのは、かけがえのないもの、

あるいは、

取替えのきかない大変貴重なものさします。

これを読むとわかる通り、

取替えのきかない大変貴重なものなので、

お金に換算することはできません。

テレビの「なんでも鑑定団」という番組でも、

よく骨董品の鑑定を行っておりますが、

あれで表示される金額というのは、

無理やりお金に換算すると、という例えであって、

その値段で売れますよということではありません。

つまり価値というのは、

金銭に変えても実際にあまり意味のないものなのです。

ただ表現の仕方がそれ以外にないので、

お金に換算しています。

ですから、

いくらその鑑定を受けたと言っても

その値段で売れるということではありません。

むしろその値段でまず売れないと思います。

それが価値です。

ここで、国宝級という表現を考えて見たいと思います。

なぜ国宝級という表現を使うのでしょうか?

国宝というのは国の宝なので、

さすがに、お金に換算した価値を提示することができません。

国宝ですから国にとってかけがえのない宝です。

取り替えがきかないものですから、

お金に換算しても意味がない、

つまり、この方の所有される国宝級の古民家は、

金銭的に見る価値は全くないのだけれど、

大変に貴重なものと言うことになります。

国宝級の古民家を持つ方の職業は、不動産業です。

この方はこの古民家が高く売れると考え、

購入しているので実際に、維持管理し、

後の世に伝える気持ちなど全くありません。

つまりこの方は国宝級の価値を

金銭的な価値と勘違いし、

投資物件として購入し所有しているだけなので、

価値を守るという意識など全くありません。

不動産取引でよくあることですが、

いくらいくらの価値がある土地は、

本来、金銭的な換算をしても意味がありません。

不動産では、

査定価額と実勢価額のみが大切なのであり、

これは価値とは違います。

いくらの価値があろうとも、

今流通している価格でしか売れません。

大切のなのは、

「価値観で物を購入するのは趣味です」

ということです。

骨董品がいいと思えば、

自分にとっては無価値でも欲しい人は、

数千万円でも購入するでしょう。

趣味の人は、ゴミですら価値があると考えます。

例を挙げると、

納屋助左衛門が、

ルソン島のトイレ代わりに使われていた壷を

戦国大名にものすごい値段で売り、

大儲けいしたのと同じです。

価値とはそういうもので、

カゲロウのようなものです。

踊らされないようにしてください。