実家があるから

家を買うときに「実家の家があるから」

とまあこれを言う方が結構いらっしゃいます。

こういうお客様の年齢を考えるとまず40代から50代です。

実家の家は、おそらく親の家ですので、

この時点で築30年以上です。

下手をすると、昭和56年以前の建売住宅です。

昭和26年ぐらいから昭和56年までの家は、耐久性がありません。

今現在ではおそらく耐用限界を超えています。

「定年退職したら帰る」

そのまま住めればいいんですけどね。

しかも帰るのはご主人の実家でしょ?

平均余命で考えると、ご主人のほうが早く亡くなります。

残されるのは奥さんですが、

定年退職から引っ越した見ず知らずの土地で、

未亡人となってその後の人生を一人ぼっちで生きるのですか?

先日ご来店になられたお客様は、

清々しいほどに、

ご自分の人生の終着点を見据えておられました。

「子どもたちも帰らんし、

自分は先に死ぬから妻の育った地域に引っ越したい。

ここでは妻は頼る人がおらん」

というお話でした。

そのために行橋にある家や土地などすべて処分したいと。

ご実家とその土地、自宅など、すべての財産を処分して、

先日、他県に引っ越されました。

定年退職した後帰るのは、ご主人の育った地域です。

奥さんにとっては知り合いも親戚もいない土地です。

一般的に田舎に行くほどに、

引っ越してきた人に対する「よそ者扱い」はひどいと思います。

自分もこの地域ではよそ者ですので、

色んな意味で、少し距離を置かれています。

そういう地域に引っ越して、

ご主人が亡くなったあとも一人で暮らす。

それでいいのだろうか、と思います。

自分は、「今いる場所」に家を建てることをお勧めしています。

家さえあれば、そこを貸しても、住み続けてもいいのです。

実家は貸せばいいんです。

これを言うとこういう方は必ず、

「実家があるのにもったいない」

とか、

「土地があるのにもったいない」

と言われます。

もったいないおばけですね。

これ実は、人生における無駄の一つである

「家賃」を損失していることに気がついてないんです。

不動産工房ゆくはしは、航空自衛隊築城基地の近くにあります。

自衛官は、転勤の多い仕事なのですが、時に、

「転勤した先々で家を買う」

という方がおられます。

最初は沖縄だったそうです。

ご存知かどうかわかりませんが、

沖縄県はいま日本で最も急激に地価の上がった地域なのです。

家賃水準も非常に高いです。

そこに家を建てて、転勤になったら貸す。

それを、北海道と埼玉?でも繰り返して、

今、築城基地に転勤になっています。

自衛隊は定年が早いのでその方は、

ここで定位年を迎えるのですが、

定年は、地元に近いところで迎えるようで、

その方の地元は福岡県です。

もう転勤はないのですが、

今現在、3件の貸家のオーナーで、

給料以外の収入が毎月20万円程度あり、

そこからローンを支払っても10万円程度残ります。

つまり定年後に、再就職の必要がないと言うことです。

「実家があるから」というのは、

こだわり故に、損をしているという例だと思います。

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