家を買いたいんだがお金は待ってもらえますか?
「家を買いたいんだが、
お金は今住んでいる家が売れてからではだめですか?」
これ今日お問い合わせのあったお客様の相談内容です。
これだめです。
契約というものの性質として、
「いつどこで誰と誰とが何をした」
というのを記録に残すのが趣旨なんですが、
「条件はこれこれで、
その結果発生する対価がこれこれで、
その対価はいつまでにどういう形で支払われる」
までが盛り込まれないと契約書になりません。
つまり、
「家が売れてから」
というのは、
いつまでに対価を支払うのかはっきりしないため、
売り買いが成立しません。
(法律上は可能ですが現実こういう契約はまとめません。
停止条件付契約といいますが、
裁判になることが目に見えることは不動産工房ゆくはしでは、
行いません)
これ、
「催促なしのあるだけ払い」
のようなもので、
見ず知らずの他人同士がする契約ではありません。
「賃貸にすれば?」
これ別の意味でややこしくなるんです。
賃貸契約上においてもややこしいんですが、
品確法という法律により
「賃料を取る以上対価に見合う品質がなければならない」
ということで、
「雨漏りがあるから安い家」
を買主のお金ができる前に貸すと、
「雨漏りを直してしてから貸すこと」
となり、
「そんなお金を出すんならもっと高く売る」
「そんな値段なら買わん」
…ね、ややこしいでしょ?
「買わんのだったら出ろ」
「借り主の権利は守られているもんね」
…ね、ひどいでしょ?
不動産取引は、
お金を用意できなければ成り立たない契約なんです。
「ローンは?」
これは金融機関が代わりに払ってくれるので、
売主にとっては基本現金での取引に過ぎないんです。
「でも重説に割賦販売というのがあるじゃん」
ありますね。
実際に使っている契約は見たことありませんが…
「代金の全部または一部について、
物件引き渡し後1年以上の長期にわたり、
2回以上に分割して受領することを条件に販売すること」
ってやつですね。
稀に、
「住宅積立金制度」
みたいな契約があるとは聞きますが、
実際に見たことはありません。
というより、
住宅ローンのほうが住宅ローン特約があり使いやすいのと、
支払不能になったときのリスクが担保されないので、
そこらをしっかりやらないと、
「危なくって使えない=使いにくい」
となるので、あまり見かけないんだと思います。
いい方法でしたらみんなが使いますから。
「俺が裏切ると思うのか?信用しろ」
無理ですね。
不動産の契約は高額のお金が動きます。
信用したいのは山々ですが、
万が一が困るので、
絶対に対価の支払いの予定のない人との取引はできません。
「ちょっとぐらい」
不動産の契約においてちょっとぐらいはありません。
「血も涙もない」
暖かくて優しくて親切なダメダメ不動産に、
あなたの財産を預けますか?
血も涙もないけどあなたの財産を守る冷酷不動産に、
あなたの財産を預けますか?
不動産工房ゆくはしは、
優しいけれど、契約は冷酷に行う不動産屋です。