看取り難民は孤独死予備軍

「看取り難民」という言葉をご存知でしょうか?

今現在すでにおよそ20万人程度の人に

「死に場所がない」

と言われています。

死に場所がないというのは、

自宅などで誰にも看取られずになくなることを指します。

なぜこんなことになるのか?

介護が必要な方の場合、

施設の利用が一番いいのですが、

有料老人ホームは、

月額およそ17万円程度かかるのに対し、

年金の平均月額は15万円なので

年金生活者には利用するハードルが高いのです。

ただ、

要介護認定が付けば、

介護保険の適用もあるので若干楽なのですが、

健常者の場合、なんの補助もありません。

健常者であろうが要介護者であろうが、

死は平等です。

何らかのきっかけで亡くなりますし、

予測はできません。

そういう方は自宅で亡くなった場合、

孤立死になる可能性が高いのです。

「親父のやつ最後まで面倒かけやがって!

家も事故物件で売れやしないだろ!!」

これを世間では自業自得といいます。

親と同居し面倒を見ていればこんな事にはなりません。

しかし、

これは子孫や家族がいるのでまだマシなケースです。

今現在、

日本人の50歳以上の男性4人に1人、

女性は7人に1人が独身です。

10年後にはで男性は3人に1人、

女性は4人に1人が独身になると言われています。

この人達の25%は孤立死予備軍なのです。

今現在年間1200万人程度の方がお亡くなりになっています。

今現在、

子孫がいる状態で20万人程度の看取り難民が存在するのです。

10年後の予測死亡者数1500万人として男女比を1:1にした場合、

それぞれ7500万人ずつとなります。

20年後、

30年後には、

「隣の人今頃見らんね。

死んじょうかね?」

「こっちの家んなかでも死んじょうね」

これが普通になります。

「病院で引き取ってもらうしかないだろ」

誰が医療費払うんですか?

あなたが会ったことすらない親戚のおじさんが、

身内が誰もいないのであなたに頼ってきました。

面倒見ますか?

生活保護の場合、

個人の財産を持つことはできません。

自宅などは生活保護を受ける場合には、

売却しなくてはなりません。

アパートで死ぬしかないんです。

アパートのオーナーが苦しめばいいんですか?

国の今の施策では解決方法がないんです。

ウイル・スミスの映画で

「アイ・アム・レジェンド」

というのがあります。

ウイルスで人類が滅亡し一人だけ生き残る話なんですが、

そんな劇的なことではなく、

普通にあちこちの家の中で人が亡くなっている状態が、

今すぐそこに迫っています。

これが、

「死に場所のない人」=「看取り難民問題」

というものです。

「事実は小説より奇なり」

夏なので怖い話にしてみました。