負動産の整理と終活の知恵
所有している不動産が「負動産」に変わるのが分かっていて不動産を処分することができない人。
これ、
「捨てられない人」
の特徴でもあります。
心理学的にみると、後悔したくない性質なのですが、
ちょっとしたことに失敗したくない心理ということになります。
つまり、
「あーしまった!!」
が嫌なのです。
後で後悔したくないので、
「いつか必要になるかもしれないので捨てられない」
「いつか値上がりするかもしれないので売ることができない」
いつか…のために処分できない人の心理です。
身近にこういう人、いませんか?
おそらく田舎のおじいちゃんおばあちゃんがそうではないでしょうか?
物の包み紙一つを大事にしまっている、
これを繰り返すことによって家中足の踏み場もない、
このような家、見たことないですか?
これ今問題になっている、
「ごみ屋敷」
を作る心理なのです。
「いつか使えるかもしれない」
という心理からものを拾ってきて、いつしかごみ屋敷が出来上がる、
つまり最初は異常でも何でもないのです。
限りなく平凡な日常の延長線上にあるものです。
冷静に考えるとわかるのですが、
今現在日本では不動産が値上がりする要素を1とするならば、
値下がりする要素は100以上あります。
原則不動産は、
これからの将来、
いくつかの条件を除いて値上がりすることはありません。
何故なら、
「少子高齢化による人口減」
が発生しているからです。
人口が減れば不動産は余ります。
これは住宅用地だけでなく、
オフィスビルや店舗、
公共施設もすべて余るのです。
物流も低下するため、倉庫類も必要がなくなります。
利用が減るため空港などの施設も減るでしょうし、
駅も利用客が減れば廃線になります。
つまり想像以上に土地は必要なくなるのです。
結果的に大都市への人口の集中は避けられず、
大都市の土地の価格だけが値上がりします。
このことは
「何事も平均」
という日本の経済構造の崩壊を意味します。
すでに日本の経済の方向性は、
「二極化」に向かいつつあります。
「都市圏と田舎」
「金持ちと貧乏な人」
これは、資本主義経済社会における問題点です。
今捨てられない人の現状をうまく言い表すとしたら、
「火事の時、
火に囲まれながらたくさんのものをもって逃げようとして、
逃げ遅れて焼け死んでしまう人」
ということになるでしょうか。
これは、「平成の大合併」で、合併できなかった自治体と同じです。
自治体も、人口規模にして5万人以下の自治体は消滅します。
そのような自治体に所有する不動産は、
すべて負動産と考えても差し支えありません。
早めに手当てされることをお勧めします。